以前は自閉性障害、レット障害、小児期崩壊性障害、アスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害(名称はDSM-Ⅳ-TRに準拠)として別々に概念化されていたものを、レット障害を除く多彩な表現型を呈する神経発達症候群としてまとめたものです。典型的には、目を合わせない、指さしをしない、後追いがみられない、あやしても喜ばない、言葉の増えが遅いといった様子が生後1~2年以内に観察されます。
言葉の遅れが目立たなくても、保育所や幼稚園に入ってから、一人遊びが多く集団行動が苦手であったり、頻繁にかんしゃくを起こすことで気付かれる場合もあります。電車やミニカー、ゲームなど、自分の興味のあることには毎日何時間でも熱中し続ける一方、初めてのことや予定を変更されることが苦手で、新しい環境に馴染むのに時間を要します。
知的能力が正常で言語機能障害が軽度の場合は、学業や社会性への要求水準が高くなる青年期やそれ以降まで特定されないことも珍しくありません。芸術や数学などの分野で特殊な能力を発揮される方もいます。